陸前高田・気仙沼訪問レポート

こんばんは、TDC Freiheit Yukiです。8月29日（水）～31日（金）にかけて、2011年3月11日の東日本大震災で大きな被害を受けた、岩手県陸前高田市と宮城県気仙沼市へ行ってきました。Freiheitとしては、昨年に引き続き今年が2度目の訪問だったのですが、昨年は同行できなかったため、私にとっては今回が初めての被災地訪問となりました。今回のレポートは、私自身が感じてきたことを中心に書かせていただきます。今回の訪問は、気仙沼市社会福祉協議会の地域支援部門を担当している方から、「生活不活発病」を予防するためのイベントを企画したいという話を伺い、気仙沼市階上（はしかみ）地区でチェアタップダンス体験会が開催することになったのがきっかけでした。生活不活発病とは、「災害などをきっかけに外出が減り、座りっぱなしになるなど生活が不活発になって、全身の機能が低下する」というもので、現在被災高齢者の方々に発症しやすいと懸念されています。昨年の訪問時は、ガレキを片付けることが最優先だった地域が1年経った今、タップを通して人々と触れ合える時間を必要としてくださったことに少し復興の兆しを感じて現地へ向かいました。ところが、先に訪れた陸前高田市内を見て愕然としました。被害の大きかった陸前高田市の中心部は海沿いに位置するため、ガレキが片付いた跡地には、建物の土台部分だけが残り、見渡す限り一面に「何もない」風景が広がっていました。地図に表示されているコンビニやスーパーは当然のようになくなり、本当に誰も生活していない街になっていました。

　

観光バスが臨時のスクールバスとなり、仮設住宅から自分たちが通っていたはずの学校とは異なる、山間部の小中学校へ通う生徒たちの通学をサポートしていました。チェアタップダンス体験会を行う前に現状を知っておきたいという想いから、イベント開催の前日に、陸前高田でボランティア作業をしてきました。現在もなお、陸前高田には1日に300名の方がボランティアに訪れているということを知り、人手が必要な場所がまだまだあるということを痛感しました。今回作業を担当したのは、広田湾と大野湾という2つの湾に挟まれた小友町地区。両方の湾に押し寄せた津波がぶつかり合い、甚大な被害を受けた場所でした。震災直後、一時的に集めたガレキの処理が終わっていないということで、分別する作業を行ってきました。折り重なったガレキの山を少しずつ崩していく作業は想像以上に大変で、1区画に30人必要と言われているというほどでした。

　

翌日は、気仙沼市階上公民館でチェアタップダンスの体験会を開催。気仙沼市社会福祉協議会の皆さんにもお手伝いいただき、階上地区にお住まいの50代以上の方を対象に行わせていただきました。前日未明に震度4を超える余震が起きたこともあり、少しピリピリとした雰囲気のなかイベントがスタート。オープニングパフォーマンスを終えると、最初は戸惑っていた方も少しずつ笑顔が見えてくるようになりました。そして、イベントのメインとなるチェアタップダンスの体験会。参加者のなかには、隣町から車で来てくださった方や、運動をするからと気合いを入れてジャージを着てきてくださった方もおり、私たちの訪問を喜んでくださったことを本当に嬉しく思いました。また、NPO団体で生活支援プロジェクトのスタッフをされている介護福祉士の方からは、「椅子に座ったまま運動できると聞き、教えてもらおうと思って来たんです。」と熱心な言葉をいただきました。休憩時間には参加者の皆さんとゆっくりお話することができ、有意義な時間となりました。震災当時の話をしてくださった方もいらっしゃり、一方的にパフォーマンスを届けるだけでなく、交流を図れたことが一番の喜びでした。パフォーマンスのラストには復興への想いをこめて、タップの音だけで聞かせる力強い演目を披露。会場が熱い拍手で包まれました。終了後には、参加者の皆さんから「絶対また来てね！」と強い握手とサインを求められ、再会を約束。社会福祉協議会の方々からは「すごく良かった！次回は小学校に来てくほしい！」と嬉しい言葉をいただきました。

　

被災地の復興には、少なくとも5年から10年かかるといわれています。今回の訪問を通して、その言葉が嘘ではないことを痛感しました。被災地から離れた東京で、私たちにできることをする。私たちだからこそできる復興支援を継続的に行っていくことが、必要不可欠だと思いました。今回の訪問を受け入れてくださった、気仙沼の皆様、社会福祉協議会の皆様、本当にありがとうございました。また、東京から応援してくださった、Freiheit関係者の皆様、ひの社会教育センターの皆様、ありがとうございました。長文になってしまいましたが、書ききれない思いがまだまだあります。この続きは、11月23日（祝）にLilyが監督を務める中央大学タップダンスサークル主催の「東北復興支援チャリティーライブ」にてご報告できればと思います。今年も中大で活躍する学生パフォーマーを集め、チャリティーライブを開催致します。昨年以上に想いのこもった熱いパフォーマンスをご期待ください！今後とも宜しくお願い致します。Tap Dance Company FreiheitYuki

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